ロード・オブ・ザ・リング 3部作
監督ピータージャクソンは汚いホラー映画「バットテイスト」でデビュー。
新聞社でアルバイトしながら近所のボンクラ仲間と作った。もちろん自主映画なので途中、資金がなくなくなる。だが残りを出資したのはまさかのニュージーランド政府である。
またこのころ付き合っていた彼女がフラン・ウォルシュ。
当時のピータージャクソンはデブでメガネで髭でオタク。フラン・ウォルシュはそんな彼を支え続け映画を完成させた。
そして15年後「ロード・オブ・ザ・リング 3部作」を撮るのである。
ここで凄いのが、フラン・ウォルシュとニュージーランド政府に対してである。
スタジオを母国に作りニュージーランドを世界に知らしめ、GNPを上げた。
そしてフラン・ウォルシュには脚本を担当させた。
おまけに今でも内縁の妻である。
まだピータージャクソンがゲテモノ監督と云われてた頃、クライストチャーチの劇場でニュージーランド人と「ブレインデッド」を観た。
スピーディーな展開、アイデア満載の演出、過剰なまでの娯楽性に圧倒された。
だが彼曰く「恥ずかしいな、こんな馬鹿な映画が自分の国の映画だなんて」こんな風にいう気持ちも分かるが、私は誇りに思うべきだと彼に伝えた。
ピータージャクソンはいつかスピルバーグを超えるとまで伝えた。
彼の気持ちも分かる。
ホラーという体裁だけで作品に対して嫌悪を抱き、本質を見抜けないのは当然だろう。
だが世の中体裁や偏見によって物事の本質を見失うことがある。
ホラーは社会悪だと決め付ける某国。ホラー(ピータージャクソンの才能)に投資したニュージランド。
正しいのは偏見に惑わされない、本質を見抜く目。
そんなことを証明してくれたのが「ロード・オブ・ザ・リング 3部作」である。