top of page

ブラームスはお好き


サガンのあまりにも有名な小説「ブラームスはお好き」。アラフィフで美魔女の主人公が若い男に恋する物語。あまりに残酷過ぎる内容に美魔女ブームが席巻する昨今でも雑誌等メディアでは取り上げられることはない。だから敢えてここで紹介したい。主人公ポール(美魔女)が結婚してくれないダメなアラフィフおっさんロジェとズベズベなセフレ関係を続けているところから始まる。

中盤、愛に絶望し受け入れないポールに対する若い男シモンの言葉が全てを物語る。「あなたが人間であることの責任をあなたが人間であることの責任を果たさなかったことで告訴します。この死人の名において、私はあなたが恋を取り逃がし、幸福である義務をないがしろにし、意義の無い人生をおくり、あきらめをもってその日暮らしに生きたことにたいして告訴します。あなたは死刑を宣告されるべきです、あなたは孤独を宣告されるでしょう」

こんなことを言われても変わらないポール。

そして最後の悲痛なポールの回答。「シモン、私、もうオバサンなの、 オバさんなの」なんてブルージーなラスト。こんなダメな人間を包み込むのはやはりブラームスの交響曲第3番 第3楽章、これしかない。実際、この小説が原作である映画「さよならよもう一度」で使われている。デビュー作「悲しみよこんにちは」からスタートしてわずか5年で大人のバラードを書き上げたサガンの傑作。ダメなんだけど決してダメではない大人の女性の優しさと強さに共感を覚えるはずだ。

最後にタイトルの意味は、モーツアルトやベートーベンだとガキ扱いされるんじゃないかと心配したシモンが背伸びしてちょっと渋いブラームスの演奏会に誘う箇所からきている。

「渋いのが好き?」とか「熟女が好き」とかそういった意味であろう。

関係ないが、俺も小生意気なギャルより熟女の方が好みだ。

「というか同級生が好きなだけだろ」とメンバーに突っ込まれた。


Recent Posts
Archive
  • White YouTube Icon
  • White Facebook Icon

SUBSCRIBE FOR UPDATES

Copyright © 2016 Lady to eat All Rights Reserved.

bottom of page